「細川ガラシャ夫人」ブックレビュー

ここ2,3日と長編小説「細川ガラシャ夫人」にハマっていました。

 

明智光秀の娘、戦国の世を悲しく壮絶な、凛と生きた女性

 

幼少期から美しく利発的な玉子

父,光秀に特に可愛がられる。

そんな玉子に叶わぬ想いを寄せる家臣の初之介(はつのすけ)

何やら出だしからぐっと掴まれる。

 

そして政略結婚にて細川家に嫁ぐ玉子。

 

その美貌に細川忠興はすっかりメロメロになる。

 

子宝にも恵まれ幸せこの上ない暮らしをする玉子

 

そして、かの有名な「本能寺の変」が起こる

反逆者の娘である玉子を忠興は人里離れた山奥にやる。

 

ひっそりと、我が子と夫とも離れ

侘しさを抱え想いに耽る玉子

そして,ふと聞こえる初之介の慰めるような優しい笛の音。

初之介は光秀の命を受け、玉子を守るように言われている

ここでも初之介の切ない想いを垣間見る。

 

月日が過ぎお城へ戻れることになった玉子

 

しかし玉子の居ない間に側室を迎えていた忠興

 

心の拠り所をなくしていく玉子

 

キリストの教えは玉子の心の支えだったのだろうと思う

 

そして女好きの秀吉から玉子に声がかかる

秀吉はあっちこっちの妻にまで手を出しているとか

 

玉子を一目見るなり秀吉はすっかり見惚れる。

 

茶室に秀吉と二人きりになる玉子

 

茶を飲み干した後、ふと秀吉の手が玉子に触れる

 

その時、玉子の左袖から短刀がすとん、と落ちる。

 

玉子の覚悟を見た秀吉は、そのまま玉子を帰す。

 

知恵と覚悟で、乗り切る玉子

 

省略して最後

石田勢に攻め入られた玉子は、家臣に刀で胸を貫かせ炎の中

その生涯を閉じる。

焼け焦げた城跡から

玉子の骨を拾おうとした侍女は玉子の骨と共に

少し離れて太い骨を見つける。

傍には笛があった。

 

この部分で号泣する。

 

明智光秀織田信長豊臣秀吉それぞれ諸説によって印象は違うと思います

ここでは、細川ガラシャの壮絶な舞台が描かれている

正直、玉子がもう少し並の容貌であったのなら、もう少し長生きできたのではと思います。

美女とは、かくも悲しき運命です。

 

ぜひおススメです。